保険適用の白い歯
笑った時に前歯の色が気になる、口を開けると銀色が見えて恥ずかしい、
金属の為害性が怖い患者様へ |
私が歯科大学を卒業した平成3年から30年余が過ぎようとしています。
1961年から導入された日本の国民皆健康保険制度は世界に誇る素晴らしい制度です。
ところが歯科治療においては昭和の戦後からそのまま使われている材質・方法もあり時代遅れやデメリットを見受けられます。その代表が金銀パラジウム合金による銀歯治療でしょう。
ここ数年で医療保険のルールが改定され、患者様の歯の本数、噛み癖など条件つきではありますが保険範囲内で白い詰め物や被せ物を使って治療出来るようになりました。
保険で出来る白い歯の治療範囲が拡大しました
CADCAM冠・インレーとは型取りにより作成した模型からスキャンしたデーターをコンピューターに入力し、ハイブリッドレジンという硬いプラスチックの塊を機械で削り出し歯の形にする方法です。
それを行える準備をしている歯科医院(施設基準を満たしている歯科医院として厚生労働省に認可されている歯科医院)は保険で白い歯の治療を行うことが可能です。
当院は施設基準を満たしている歯科医院です。
色のついている歯はCADCAM冠・インレーが保険適用です。中切歯・側切歯・犬歯(図の赤い歯)、第一小臼歯・第二小臼歯(図の緑の歯)・第一大臼歯(図の青い歯)に作ることができます。第一大臼歯(図の青い歯)は第二大臼歯(図の赤丸)が上下4本揃ってないと保険適応になりません。
但し、材質自体は硬いプラスチックである為、時間の経過と共に変色する、強度的にはセラミックや金属には敵わずそれに比べ割れたり欠けたりしやすい材料です。
すなわち第一選択にするbestな方法ではありません。
一番のメリットは安価であるということでしょう。
しかしながら以前だと保険の範囲内で銀歯オンリーの選択肢のない時よりは患者様にとっても良いことだと思います。
長期的な審美性や強度を有するセラミックやジルコニアに関しては別のページを作成してますのでご参照ください。
CADCAM冠・インレー治療の利点・欠点をまとめると下記のようになります。
利点
- 健康保険範囲内で白い冠・詰め物ができる
- 金属アレルギーの心配がない
欠点
- 主材料はプラスチックの為、すり減りや割れたり、欠ける可能性がある
- 歯を削る量はセラミックや金属より多くなる
割れる可能性を少なくするのに材料に厚みを持たせる為、必然的に歯の削る量は多くなります。
- 時間が経つにつれ変色して黄ばみがでる
セラミックと違いプラスチックは水分を吸収するため段々黄ばんだ色になります。
- 歯垢が付着しやすく歯肉に炎症が起きやすい
プラスチックは汚れが着きやすいのて歯肉に炎症が起こりやすい
- 長期的な強度は不安で、セラミックや金属に比べると外れやすいことがある
プラスチックは使っているうちに段々とすり減り噛み合わせが変わりやすい
また、CADCAM冠・インレーは特殊な方法を用いて歯に接着させるため外れることがあります。
「自由診療で行う審美治療 ジルコニア・セラミック」はこちら
|